2021年5月に Poly G7500, Poly Studio X ファミリー共通のソフトウェアである Software 3.4.0 がリリースされました。3.3.2 との差分をリリースノートをもとに解説します。機能タイトルはリリースノートと合わせるため意図的に英語にしています。
参考情報
アップグレードへの最小バージョン
Poly VideoOS 3.4.0 のアップグレードのためにはPoly VideoOS 3.2.0 が最小要件となります。Poly Video OS 3.2.0未満のデバイス、例えば 3.1.x から3.4.0にアップグレードするためには一度 3.2.0から3.3.2のバージョンにアップデートを一度し、そのあとに3.4.0にアップグレードする必要があります。
詳細: Tech Alert: PolyOS update to 3.4.0 will not work if starting from version 3.1.x or older(パートナー権限必要)
Poly Video OS 3.2.0-3.3.2 へのアップデートは下記の方法があります。
- カスタム Web サーバを立てる
ご参考:Poly Studio X30/X50 および Poly G7500 ソフトウェアアップグレード
- USB Firmware からアップデートする
(ただし、TC8のアップデートはVer 3.1.x では未対応です)
ご参考:Poly Video OS USB フラッシュドライブを利用したアップグレード・ダウングレード
- Poly Lens/Resource Manager を利用する
Poly Lensに登録することで過去のリリースのファームウェアの選択肢が利用できます。
ピンホールリセットによる工場出荷時の復元
工場出荷時の復元では、システムのフラッシュメモリが完全に消去され、安定したソフトウェアバージョンに復元されます。以前のリリースでは、.0 への切り戻しでした。現在の工場出荷時の復元バージョンについてはPoly VideoOS Software 3.4.0 リリースノートの Version History セクションを参照してください。
例
–Factory Restore Partition Update to 3.3.2
Poly Video OS Software 3.4.0 新機能
Support for Presenter Mode
プレゼンタートラッキングモードは Studio X50 と Studio X30 で実装されてたメインスピーカーが移動して話せるようにすることができるダイナミックな話者トラッキングモードです。
なお、Studio X50 では正式サポートになりますが、Studio X30 はプレビュー機能となり、今後変更削除される可能性があります。
プレゼンタートラッキングモードでは、動きに合わせてトラックするために3秒から5秒話し続ける必要があります。
プレゼンタートラッキングモードはハイブリッドな学習の場にある教育環境で有効なツールです。先生やプレゼンターが授業やレッスン、トレーニングの中で自然な動作に合わせた高度な映像を生徒や聞き手に提供することができます。
ベストな環境を構築する条件:
•デバイスと話者の間は 3m 以内にしてください
•デバイスは話者の目の高さ付近に設置してください
•他の参加者がカメラの視界に入る場合は、しゃべらず背景雑音が入らないように注意してください。
•天井照明や窓からの光で背景が明るすぎたりグレアを避けるために充分な光源がプレゼンターにある必要があります。
•発表をする際、カメラを向いている必要があります。
設定
•システムのWebインターフェイスで、[音声/ビデオ/コンテンツ] > [ビデオ入力]に移動します。
•カメラの設定に移動し、トラッキングモードを指定します。
•トラッキングモード:
–プレゼンタートラッキング:カメラは、話したり動いたりしているアクティブなスピーカーを追跡します。プレゼンタートラッキングモードはStudioX30のプレビュー機能であり、将来のリリースで削除または変更される可能性があります。
–https://documents.polycom.com/bundle/polyvideomode-ag-current/page/t4213542.html
Live Microphone Switching on Studio X50
Poly Studio X50 にて システムの内蔵マイクと拡張マイク(RealPresence Debut Mic) の間でマイク入力を自動的に切り替えるようにシステムを構成します。
システムは、どのマイクがスピーカーからの最も強いオーディオ入力を拾っているのかを検出し、自動的にそのマイクに変更します。たとえば、教室に Studio X50 を設置する際に、システムをインストラクターに向け、部屋の中の生徒の声をシステムの後ろ側にマイクを設置することで聞き取ることができます。
https://documents.polycom.com/bundle/polyvideomode-ag-current/page/c4934893.html
設定
手順
1.システムのWebインターフェイスで、[音声/ビデオ/コンテンツ] > [音声] > [音声の一般設定]に移動します。
Wi-Fi Enhancements
このリリースでは次のプライマリネットワークとしてのWi-Fi 機能拡張が含まれています:
•システム初期設定時に Wi-Fi ネットワークを手動設定できます。*
•このリリースで 2.4 GHz に加え 5 Hz 周波数帯をサポートします。
*プライマリネットワークで Wi-Fiが利用できるのは Teams Mode / Zoom Mode のみ
Support for Zoom Rooms 5.6.3
G7500, Studio X50, と Studio X30 Poly VideoOS software 3.4.0 での Zoom Rooms と Zoom Rooms Controller applications は 5.6.3 になります
Zoom Rooms for Appliance 5.6.3での機能追加・不具合修正の他、5.6.0で追加された仮想背景機能などが利用可能です。
https://support.zoom.us/hc/en-us/articles/360042041011-New-updates-for-Zoom-Room-Appliances
Support for New USB Cameras
Poly は Poly Videoおよび Zoom Rooms モードについて追加で サードパーティ製USB カメラをサポートします:
https://www.legrandav.com/products/vaddio/cameras/hd_ptz_cameras/conferenceshot_av
https://www.hibino-intersound.co.jp/vaddio/6065.html
https://www.huddly.com/conference-cameras/iq/
Poly Video Mode
https://documents.polycom.com/bundle/polyvideomode-ag-current/page/c4441032.html
Poly Partner Mode
https://documents.polycom.com/bundle/polypartnermode-ag-current/page/c4441032.html
USBカメラサポート
Poly Studio USB | EagleEye IV USB | EagleEye CUBE USB | EagleEye Mini |
Vaddio ConferenceSHOT AV |
Huddly IQ Conference Camera |
INOGENI 4K2USB3 | |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
Zoom Mode | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Support for INOGENI 4K2USB3 4K HDMI to USB 3.0 Capture Device
Poly G7500 および Studio X50 の Poly Video Mode および Zoom Rooms Mode で、メインビデオのHDMI入力用に INOGENI 4K2USB3 4K HDMI to USB3.0キャプチャデバイスをサポートします。
外部カメラからの取り込みで HDMI から入力をデバイスのUSBポートに接続した INOGENI 4K2USB3から受けるすることで、コンテンツ入力用に内蔵HDMIを残すことができます。
注: INOGENI4K2USB3のデフォルトの出力解像度は4Kです。Polyは、デバイスをファームウェアリリース8.39以降に更新し、INOGENI Control Appv2.81以降を使用することをお勧めします。INOGENI4K2USB3に接続するHDMI入力ソースに一致するように最大解像度を構成します。たとえば、INOGENI 4K2USB3に接続するHDMI入力ソースが1920x1080を出力している場合、INOGENI4K2USB3は最大解像度1920x1080で構成する必要があります。INOGENI 4K2USB3に接続されているソースのHDMI入力解像度とデバイスの最大解像度が一致しないと、ビデオが表示されません。
4K2USB3 – 4K Ultra HD to USB 3.0
https://inogeni.com/product/4k-to-usb-3
http://bayt.co.jp/products/branded/inogeni/capture/index.html#4K2USB3
Wired HDMI Screen Share with capture device
https://support.zoom.us/hc/en-us/articles/201504265-Wired-HDMI-Screen-Share-with-capture-device
Poly Video Mode
https://documents.polycom.com/bundle/polyvideomode-ag-current/page/c4441032.html
Poly Partner Mode
https://documents.polycom.com/bundle/polypartnermode-ag-current/page/c4441032.html
Provisioning Enhancements
このリリースでは他のプロビジョニングサービスにリダイレクトと会議プロバイダーの設定が可能な新しいプロビジョニングパラメータを追加しています。
•Provision Provisioning Server Redirect
–別のプロビジョニングサービスを指定できます。
–例えば社内のDHCPサーバのオプションで社内のWebサーバを指定し、その中に Poly Lens の情報をプロビジョニングサービスとして埋め込むことが可能です。
•Provision Conferencing Provider
–会議プロバイダーを指定できます。
–例えば社内のDHCPサーバのオプションで社内のWebサーバを指定し、その中に 会議プロバイダーの情報を入れることで、自動的に Zoom や Teams モードに社内のデバイスを変更することができます。
Enhancements for Switching Conferencing Providers
以前のリリースでは、会議プロバイダーの変更ごとにファクトリーリセットがかかっていましたが、本リリースで不要になっています。会議プロバイダの変更で再起動は引き続き必要です。設定は Web 画面で切り替えても保持され、管理パスワードを都度デフォルトに戻ることもなくなりました。
Removed 8x8 as a Conferencing Provider
本リリースで、会議プロバイダ 8x8 が削除されました。8x8が指定されているデバイスが 3.4 にアップグレードされると、PolyVideo モードになります。
USB Mouse Support
本リリースで入力デバイスとして USB マウスおよび USB-BTドングルでの Bluetooth マウスを正式サポートします。.
https://documents.polycom.com/bundle/polypartnermode-ag-current/page/c3894925.html
入力デバイスとしての USB マウス(有線)
入力デバイスとして Bluetooth/USB ドングルを利用しての無線マウスのサポート
利用例
Microsoft Teams 初期セットアップ
Microsoft Teams/Zoom Room から Poly OS 管理画面の呼び出し(右から左へスワイプ)
Poly Video Mode ブラックボード機能の活用
Microsoft Teams 通話中の高度な機能の右クリックでの呼び出し
以上です。